最高裁判所第三小法廷 昭和26年(れ)1608号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
被告人川端勝彌が常習として本件賭博を行つたかどうかは、事実認定の問題であるからその認定が違法でない限り事実審たる原裁判所の判断に委ねられていること言うまでもない。そして、原裁判所が論旨に摘録するような被告人川端の三回に及ぶ賭博の前科あるに拘らず更に本件の賭博行爲に及んだ事跡により同被告人が常習として賭博を爲したものと認定したことは経驗法則に違反するものと言うことはできない。(昭和二四年(れ)一三七四號同年一一月一七日当裁判所第一小法廷判決、昭和二五年(れ)一〇三五號同年一〇月六日当裁判所第二小法廷判決参照)。なお、被告人が平素正業に從事する場合には賭博の常習性を有することは比較的に少いであろうけれども、かゝる場合に常に必ずその常習性を認めることができないという経驗法則のないこと言うまでもない。それゆえ、原判決には所論のような違法はない。
原判示によれば、被告人稻川佐喜蔵が昭和二二年六月二六日と翌二七日の両日に亘つて佐藤一三のために寺銭を徴收して同人の賭場開張図利の所爲を幇助したことが明らかであるから、所論のように寺銭の額や徴收の方法を一々判示しなくても賭場開張図利幇助の犯罪事実の摘示として十分である。されば原判決には所論のような違法はない。